<技術と針鼠の概念>
技術の進歩による事業環境の変化は決して新しいことではない
 →「技術はどのような役割を果たすか」ではない
  →「偉大さへの飛躍を遂げた企業が技術について、通常とは違った考え方をしているのはどの部分か」である

*技術は、突破段階に入った後、その勢いを加速するための手段として使われている
 →針鼠の概念が情報技術の利用方法を決めるのであって、その逆ではない

技術は適切に利用すれば業績の勢いの促進剤になる
 →しかし、勢いを作り出すわけではない

 
<技術は業績の勢いの源ではなく、促進剤>
技術をうまく利用するには、まずどの技術が自社にとって重要なのかを判断できなければならない
 →針鼠の概念の3つの円が重なる部分に直接関係する技術
   →重要なのは上記の技術だけである

自分に何が分かっていないかは、分からないものだ
 →経営者は新しい技術が知らぬ間に背後から近づいて、引き倒すのではないかとのを恐れている

ビジョナリーカンパニーの経営幹部を対象に行ったインタビュー
 →上位5つの飛躍をもたらした要因に「技術」をあげていない
  →技術を無視しているのではないのは確か
   →これらの企業は高度な技術を持っており、他者を引き離している

 
*「主要な要因は、会社の一貫性、組織全体に我々の考え方を浸透させる能力、それを可能にした要因として、経営階層がなく官僚主義がない組織だ」
 「当社の成功の20%は、採用した新技術によるものだが…80%は企業文化によるものだ

*かつて超優良であった企業の没落の原因
 →技術の変化を主因にするものだとの見方を支える事実は出てこなかった

技術への闇雲な依存は、強みではなく、弱みになりかねない
 →深い理論に基づく単純明快で一貫した概念に結びつけた形で使う
  →技術力は業績の勢いを促進する不可欠な要素になる

 
<取り残されることへの恐怖心>
*仕え方を間違えれば、自らが招いた転落を促進する要因になる
 →単純明快で一貫した概念にどう結びつくのかを深く理解しない
  →安易な解決策として技術に飛びついた場合

下記の原則に比べると技術の問題ははるかに小さいと思える
 →第5水準、針鼠の概念、最初に人を選ぶといった原則
  →技術の問題は、規律ある行動の一部 or 弾み車の一部として重要にすぎない

飛躍した企業は、なぜ技術の問題に対して均衡のとれた見方を維持できているのか?
 →飛躍を導いた経営幹部に聞くと「競争戦略」がまったく話題にならない
  →他者の動きにどう対応するかという観点から戦略を考えてはいない
   →何かを作り上げる、何かを改善すると試みたとき、何らかの絶対的な基準に近づこうとしている

 
・偉大さへの飛躍を導いた経営者
 →何かを作り上げたいという深い欲求
  →高い理想を純粋に追い求める自分自身の衝動とに動かされている

・凡庸さから抜け出せない体質を作った経営者
 →取り残されることへの恐怖に動かされている

*変化が大きく、混乱が生れている時期にする対応
 →基本をあくまでも守り、バランスを維持し続ける
  →やがて、業績に勢いがつくようになり、突破段階に入る
   →逆に受け身になって右往左往していると悪循環に陥り、凡庸の状態に入る


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